特別なものなんてない。大切にしたい
(ありふれた)ものがあるだけだ。
素晴らしいものは、誰のものでもないものだ。
― 長田弘『世界はうつくしいと』「なくてはならないもの」より
GAIA Compass+ion
世界をもっと思いやりにあふれた場所にしたい。
GAIA Compass+ionがこの世界のすべてのいのちを豊かにする道しるべになれるよう、そんな願いを持ってスタートします。
小さな一歩ですが、バタフライ・エフェクトのように、世界のどこかで一羽の蝶が羽ばたいて起こった小さな風の変化が、次々と増幅され、一週間後には地球の反対側で台風に発達するというカオス理論の考え方に勇気をもらい、ここから起こす風が未来を拓く一助になってほしいと願っています。
つながりコミッティから GAIA Compass∔ionへ
「つながりコミッティ」は、2015年に開催したNVCの調停(ミディエーション)を学ぶ合宿をきっかけに生まれました。これは、るりら(龍村ゆかり)のNVC活動と実践を支えるための屋号であり、名前の通り「つながりを育む委員会(コミッティ)」という意味を込めています。
以来、海外からのNVC認定トレーナーの招聘、ワークショップの企画運営、自主練習会の開催、そしてNVCグローバルフェスなどを通じて、仲間たちと共に実践を重ねてきました。その探求の歩みのなかで、私はCNVC(Center for Nonviolent Communication)認定トレーナーの一員となりました。
映像制作の世界に長く身を置いてきた私は、その人生の大半を、ドキュメンタリー映画『地球交響曲(ガイアシンフォニー)』のプロデュースに捧げてきました。そして、CNVC認定トレーナーになる少し前に、長年共に人生を歩んできた夫であり、監督であった伴侶が使命を終えてこの世を去りました。
私の中では、ガイアシンフォニーの世界観とNVCの世界観が、深いところで響き合っており、それらを統合した表現体として生まれたのが GAIA Compass∔ion(ガイア・コンパッション) です。
GAIA Compass∔ion という名前に込めた願い
- GAIA = 地球
- Compass = 方向性、内なる羅針盤
- ∔ion = connection(つながり) / compassion(思いやり) / action(行動)
つまり「GAIA Compass∔ion」は、“内なるコンパスに耳を傾け、地球と共に歩む道”を象徴する名前です。
内なるコンパスとともに、つながりの道を
GAIA Compass∔ionは、非暴力コミュニケーション(NVC)を土台としながら、自分自身とのつながり、他者とのつながり、そして地球との共生の道を、静かに、たおやかにひらいていく実践体です。
「つながりコミッティ」との関係
GAIA Compass∔ionは、「つながりコミッティ」の歩みのうえに芽生えた、龍村ゆかり個人の実践と想いを結晶化した表現体です。
そして、「つながりコミッティ」は、今後もなお、るりら個人に帰属するものではなく、言葉を超えて心がふれあう場として、NVCを生きるすべての人に開かれた空間であり続けたいと願っています。
共鳴と境界の狭間に立つ
私の言葉が、あなたの心にさざ波を起こすなら、
それは、あなたの奥にあるものが動いたからかもしれません。
私は答えを持っていません。
むしろ、問いのなかで揺れている一人の存在です。
この場は共に揺れ、共に育ちあう場として開かれています。

NVCを知る
NVC(Nonviolent Communication=非暴力コミュニケーション)は、アメリカの臨床心理学者マーシャル・ローゼンバーグ博士によって、1970年代に開発されました。
「なぜ、愛と思いやりにあふれた人間が、争いや対立を生み出してしまうのか?」という問いから出発したこの実践は、感情やニーズに意識を向け、互いの人間性を理解しようとすることを中心に据えています。
たとえ困難な状況にあっても、自分らしさを保ち、思いやりをもって人と関わることを可能にするNVCの視点は、個人と社会の両方に深い変容をもたらします。
ここでは、NVCの基本的な構造と仕組みについて、丁寧に学んでいきます。

NVCを生きる
NVCは、単なる話し方や対話のテクニックではなく、「いかに生きるか」という在り方の実践です。
自分のいのちを大切にし、それを豊かにするような日々の選択を通して、真の自己とつながり続けること――それは、心の平和を育む道でもあります。
言葉には力があります。心に光をもたらすのも、花を咲かせるのも、愛を届けるのも言葉です。NVCは、そうした言葉の力を自覚し、誠実に、あたたかく使うことを促します。
家族、学校、職場など、私たちの暮らしのすべての場面で、NVCは人との関係性をより豊かにする手助けとなります。

NVCを分かち合う
対立や葛藤は、関係性の終わりではなく、新しいつながりの始まりにすることができます。
NVCは、問題をただ「解決する」のではなく、当事者一人ひとりにとって意味ある変容をもたらすような、よりよい関係性の再構築を目指します。
傷つきのある場にこそ必要な、修復的対話・和解・共感のプロセス。そうした対話を支える力を身につけることで、前に進む力と人と人を結ぶ力が育まれます。
分かち合いとは、対話の技術ではなく、信頼と共感の土壌を育てる営み。その土壌から、私たちは平和への小さな実践を日々重ねていきます。